令和2年4月より、従来の地域イノベーション機構、地域活性化総合センターの体制を一新し、紀伊半島価値共創基幹を設置いたしました。
和歌山県を中心とする紀伊半島は、日本の原風景を彷彿とさせる豊かな自然、熊野古道に代表される時の流れの中で醸成された歴史、文化、そして幾世代に渡って守られてきた文化遺産などの普遍の価値を持つ地です。我が国の歴史を振り返れば、歴史の折々で和歌山を中心とする紀伊半島が登場することから、その価値の高さを知ることができます。
これら普遍の価値を誇る和歌山そして紀伊半島に、少子高齢化、都市部一極集中、人口減少、グローバル化、Society 5.0と呼ばれるIT技術の隆盛などの社会変化の波が押し寄せてきています。このような社会変化の中で、紀伊半島の持つ価値を進化させていくことが、和歌山大学の基幹的ミッションであるとの考えの下、学長を基幹長とする紀伊半島価値共創基幹を設置しました。
紀伊半島価値共創基幹は、「共創」という言葉が表す様に、地域と大学が共に価値を作り上げる活動に力点をおいています。大学で実施される地域貢献の多くは、大学の研究シーズ展開に重点が置かれていましたが、紀伊半島価値共創基幹では、地域ニーズを大学における研究テーマとして取込み、地域課題を大学に蓄積された知的資源を活用して解決する取り組みを進めていきます。この活動を結実させる為には、大学と自治体、そして地域の皆さんとの連携?連帯を元にした、「共創」が必要です。紀伊半島価値共創基幹の活動にご理解、ご支援をいただければと考えます。この活動により皆さまの地域に、和歌山に、そして紀伊半島に新しい価値を共創することができましたら、幸甚です。
紀伊半島価値共創基幹 基幹長 伊東 千尋