Interview : 2021年10月25日 / 2022年01月14日
小佐田裕美(女性経営者)インタビュー
実施日:2022年1月14日
公開日:2023年4月1日
場 所:ZOOMによる遠隔会議方式
語り手:小佐田裕美(こさだひろみ)
聞き手:西倉実季
聞き手:長廣利崇
【語り手プロフィール】
小佐田 裕美
わかやまエデュケーションシステム代表 / 選択理論心理士
岐阜市出身。和歌山大学システム工学部卒業後、東京にある人材教育のコンサルティング会社にシステムエンジニアとして入社。入社1年目に、同社の新人賞を受賞。業務基幹システムや会員サイト、ECサイトなどの企画、設計、開発、保守、運用まで、幅広く担当。
その後、第二の故郷和歌山に戻り、2018年に第一子を出産。『次世代を担う子どもたちにとって、これからの時代に必要不可欠な力を引き出す支援をしたい!』という想いから、心理学をもとにしたICT教育事業で、2019年10月に起業。和歌山市内にて、小中高生向けのプログラミング教室を経営。県主導の『きのくにICT教育』の一環として、和歌山県内の小?中?高の各学校のプログラミング授業の支援を行いながら、フリーのシステムエンジニアとしても活動。また並行して、選択理論心理士として、心理学や脳科学をもとにした「あそびで学ぶ人間関係づくりのスキル」を園児や保育士に実施。親向け、保育士向け、ビジネスマン向け、経営者向けに教育系セミナーを開催し、コーチングも行う。
現在は、選択理論をもとにした学校「クオリティスクール」を、和歌山に新たに設立しようと邁進中。
選択理論を通して子どもたちに内在する可能性を引き出し、誰もがイキイキと自分本来を生きる選択をお手伝い。一児の母。
長廣 はい、それでは2回目の聞き取りインタビューをさせていただきたいと思います。それで、1回目の文字お越し、どうも御確認していただきありがとうございました。その文字お越しの内容について、もう少し深く教えていただきたいなという点がありまして、そこからお聞きしてもよろしいでしょうか。
小佐田 はい、大丈夫です。
長廣 文字お越ししたものをお持ちではないと思われますので、画面共有させていただいてよろしいでしょうか。
小佐田 はい、それでも大丈夫です。
長廣 はい、それじゃあ西倉先生。
小佐田 一応データは持ってます、はい。
西倉 お持ちですか。
長廣 お持ちですか。
小佐田 そうですね、送っていただいたやつですよね。メールで送っていただいたやつですよね。
長廣 そうですか。じゃあそのデータをご覧になって、17ページの25行目辺りのお話なんですけれども、縁ある人々を幸せにするというところに尽きるという御発言をされているんですけれども、この内容の質問内容は、どういう目的で起業をされてるんですかというのを私が聞いたところ、その御回答が縁ある人々を幸せにするというところに尽きるというお話で、あと利益の話も少し私がお聞きしたと思うんですけれども。この幸せにするというところに尽きるというこの内容について、もう少し詳しく教えてほしいなと思いまして。
小佐田 はい。詳しくというと、どういう。
長廣 起業の目的いろいろあると思うんですけれども、起業の目的の中で人々を幸せにするということなんですけど、そのとき人々というのは、どういう人なのかとか、幸せにするという、具体的にはこういうふうな形に人々がなってもらいたいとか、そういう点をお聞きしたいんですけど。
小佐田 分かりました。人々というのが、頭に縁ある人々というふうに書かせていただいているんですけれども、私と関わった、私に縁がある方々、皆さんというふうに指しますね。今の場合ですと、その行っている事業にも伴うと、対象になる、特にメインで対象となっていくのは子供たち。それは保育園とかでも関わっているような子供たちから小中高、プログラミング教室とかも含めての子供たちというところが対象に入ってくるのと、あとは特に母親ですね。子育て中の母親だったりに対して支援したいという気持ちがあります。そこは特に、その主に2つというところが対象にはなるんですけれども、実際、今も関わってる方で、別に子育て中じゃない親御さんでも人間関係で悩まれていらっしゃったりですとか、そういう悩みを抱え……。ビジネスパーソンでもっと成果を出したいというふうに思われてる方からも御相談をいただくことがあるので、私のほうで、この人は対象じゃないからみたいなふうにしていくことはなくって、私が役に立てることであれば、縁ある方々に対して、私の持ってるリソースを提供したいなというふうに思っているという感じが、まず対象にあたる、縁ある人々のところになります。
縁ある人々を幸せにするというふうに言った幸せにするというところなんですけれども、一般的に分かりやすいかなというので、幸せにするという表現で前回お伝えさせていただいたんですが、私は幸せにすることはできないって思ってるんですね。ただ、幸せと感じるかどうかは本人の選択次第だというふうに考えているんです。なので、私がその人のことを幸せにするということはできない。けど、その方が自分で自分は幸せだというふうに感じられるということの支援をすることはできるかなというふうには思っています。なので、幸せを選択できる方を増やしたいというふうに思っています。そのお手伝いをしたいと思っています。
幸せという言葉もすごいあいまいだと思うんですけれども、私が学んでいる選択理論心理学では、幸せに関して定義がされているんですね。幸せな状態ってどういう状態なのかってのが定義されています。その定義にのっとったことで私は支援したいなというふうに思っています。
長廣 その定義というのはどういうものなんでしょうか。
小佐田 選択理論心理学の中では、人は生まれながらにして5つの基本的欲求を持っているよというふうに考えています。人の欲求ってものがあったときに、選択理論ではそれを5つに分割したというだけなので、別の心理学だとその欲求の切り方が違ったりするんですが、選択理論では人の欲求を5つに分けてるという形になります。それが身体的な欲求と心理的な欲求に分かれます。身体的な欲求の1つ目が生存の欲求。寝たい、食べたい、あとは運動するとかという健康に関することもありますし、安心安全でいたいというような欲求ですね。あとは、生殖とか子孫を残したいみたいなことも入ってくるのがこの欲求になります。あと4つあるんですが、こっちが心理的な欲求で、愛所属の欲求。愛し愛されたいとか何かに所属していたいといった欲求。3つ目が力の欲求。誰かの役に立ちたいとか、達成したい、貢献したい、責任を全うしたいといった欲求ですね。4つ目が自由の欲求。自分らしくいたいですとか自分で何かを決めたいといった欲求。最後は楽しみの欲求。自分が楽しいと思うことをやりたいというような、この5つの欲求があるというふうに考えています。
これは人それぞれ、その欲求の強さが違うんですね。例えば生存の欲求がすごい強くて楽しみの欲求が低い方もいれば、例えば生存の欲求はそんなに高くなくて楽しみの欲求がすごい高いみたいな人もいまして、この欲求の強さが違う。それが性格ってのを表しているというふうに考えるんですが。その欲求の強さが違うと、例えばみんなで御飯食べて終わった後に、この後カラオケでオールしようぜみたいなタイプの人もいれば、いやいやそんなん無理、家帰って寝るほうが大事だよねみたいな違いが生まれるみたいなふうになってます。この欲求を満たすことができるのは自分だけですよって考えるんですね。その欲求の強さは人それぞれだけども、その欲求をきちんと満たすことができるのは自分だけしかいませんよ。それを満たすのは人それぞれ、自分の責任なんですよというふうに伝えています。その欲求をきちんと満たせてる状態、5つの基本的欲求をきちんと自分で満たせてる状態というのが満ち足りてる状態で、幸せな状態だよというふうに選択理論では定義しています。
長廣 はい、ありがとうございました。それで、今、これ起業の目的ということになると思うんですけれども、恐らくあの選択、えっと。
小佐田 理論心理学。
長廣 選択理論心理学との出会いというのがあったと思うんですけれども、その縁ある人々を幸せにするというようなことを思われたのは、大体、どのぐらいの時期?例えば何歳のときだったとか、そういうのって何か御記憶ありますか。
小佐田 前職にいてるタイミングですね。前職が選択理論を基にした研修会社ですので、前職で選択理論の考え方を深く学んでいったというのはあります。その中で、すごい理念経営をされている会社だったので、社長がそこにすごい思いがありまして、よくその代表のメッセージってのは聞いていました。で、私たちの生きてる目的ってのは、縁ある人々を幸せにすることなんだよみたいなメッセージとかもよく聞いていまして、それが自分の中にすごい入ってるなと思います。
長廣 ありがとうございます。西倉先生、何かないですか、この話に関しまして。
西倉 選択理論に就職活動のときにまず出会われて、今では御自身の事業の一つの核というか事業の柱になってるような、3つされてる中の1つの活動の柱になってるのかなというふうに捉えたんですけど、その時間としては、就職活動から今までだと10年ぐらいですか。
小佐田 そうですね、はい。選択理論に出会ってからちょうど10年経ちまして、10年経った節目でちょうど選択理論心理士の資格も取ったという。
西倉 ああ。最初は自分も出会ったものだったのを自分の事業に取り入れていくというところにすごく興味を持ちまして、なぜそこまで選択理論に惹かれたのかというか、私にとって大事なものだと思われたのかというあたりを、重複になっても構いませんので、もう一度教えていただいてもよろしいでしょうか。
小佐田 はい、かしこまりました。そうですね、最初は選択理論に出会ったのは大学時代のとき。前回、そのプロジェクトですごい大きな挫折経験をして、すごい苦しんでいた。どうやったらよかったのかが答えがわからないまま、でも教育業界に進もうって決めてというタイミングで、もう選択理論に出会ったときに、そのプロジェクトで大失敗したこともそうですし、そもそも私、学生時代から結構、人間関係にすごい悩んできたんですよ。人間関係とのトラブルが結構あって、友達関係を壊し、女友達に嫌われるのが特技なんじゃないんかというぐらいですね。高校と大学とそういうようなことが何回かあって、それが狭い世界の中なんで相当しんどかったんですね、当時。すごい仲よかった友達からシカトされるみたいなことが起きたりですとか。でもその中でなんとか乗り越えるものの、そこから体調を崩しちゃうみたいな出来事もやっぱりあったりして、まあ苦しかった。
結局、その大学の最後の挫折経験のときも、もうそれが全てってぐらい大学でプロジェクトをやっていて、自分の居場所だったところが、その大きな挫折経験で居場所を失って、結構どん底に落ちてというような状況だった。でも、それが何でそうなってたかということがずっと分からなかった中で選択理論に出会うことで、学ぶことで、そういう仕組みで人間は動いてるんだという。人間の脳の仕組みを基にしている理論なので、すごいそのことが整理できたんですね。だから、こういうことが起きたんだって思いましたし、でも、あのときの私はそれが最善だったんだということも、自分自身のこともやっぱり認められたし。その理論を学ぶことで、今何が起きてるかも整理できるし、それを対処する方法というのも学べたので、解決策が出てきたというのがすごい大きかったですね。
実際に前職で7年半勤めてましたけれども、ずっと選択理論の環境にいてて、選択理論を基にした研修会社なので、それに出会って、何十万人という人が選択理論の考え方を知って、経営が大きく改善したですとか、家庭環境が変わったですとか、すごいいろんな人たちの変化のストーリーってのは見てきてたんですね。自分自身も学びを重ねていく中で、自分から伝えることで変化されていく人という方とも大きく、様々出会うこともありまして、やっぱりこの選択理論の考え方だと、その人が楽になれるというのをすごい実感しました。前職をずっとやってて、前回もお伝えしたとおり、別に辞めるつもりはもともとはなくって、この選択理論の考え方が世の中に普及していくことといろんな人間関係……。人の悩みの8割以上が人間関係だって言われるぐらい、人間関係で多くの方が悩んでいて、それを解決できて、もっと楽に生きられるお手伝いができるなというふうには思っていました。なので、もう自分は学び続けていって、これを伝えたいってのはずっとあったので、場所が前職から変わっただけで、それはやり続けていきたいなというふうに思って、自分で講師にもなって活動しているというような形ですね。
西倉 ありがとうございます。
長廣 ありがとうございました。それじゃあ、まだまだお聞きしたいことがありますので、次の御質問に行かしてもらってよろしいでしょうか。
小佐田 はい、大丈夫です。
長廣 次の質問なんですけれども、前回、女性起業家の呼称の呼び方の話とかいろいろ出てきたんですけど、まずは21ページの13行目ですね。今は自分が女性であることが強みだなと感じてるということを御発言されたと思いますけれども、この女性であることが強みと思われる理由というか、これに関することをもう少し詳しく教えていただけるでしょうか。
小佐田 はい、分かりました。そうですね、いろんな側面があるんですけれども、自分自身が女性で、何か男性と女性で見たときに、ライフステージの変化という面で見ると、男性よりも女性のほうが圧倒的に変化が大きいと思うんですね。結婚はあんまり変わらないと思うんですけども、妊娠する、出産する、子育てをするみたいなところで、どうしても妊娠するのは女性ですし、出産するのも、それは女性にしかできないことです。その上で、子育てになった後の産後育休みたいなところも、ある程度の期間は女性がどうしても母乳与えないといけないみたいなところもありますよね。と見たときに、女性のほうが大変、それでも仕事をするだったりとか、やってくってなったときに大変だと思うんです。そのときに、それを経験している私だからこそ、その経験をしている女性に伝えられることがあるというのが大きな強みだと思ってます。そういえば私が伝えていることを、私が女性じゃなくて、もし男性の方が伝えてたとしたら、いや、あなた男性だからわからないでしょって、女性からだと思ってしまうところがあると思うんですね。なんですけども、そうだよね、大変だったよねみたいなことが、やっぱり共感できるという強みがあるなと思っています。
あとは、そういうライフステージってところもそうなんですが、例えば別の視点で、プログラミング教室のほうでいきますと、プログラミング教室関係。やっぱりIT関係というと、男性がバリバリやってる人が多いんですよね。SEという業界自体が男性が結構割合多いという中で、プログラミング教室も男性の先生とかもともとSEですみたいなバリバリビジネス系の男性の先生がやっているプログラミング教室とか、そういうのが圧倒的に多いわけですよ。その中で、女性の先生でみたいな、自分も子育て中でみたいなところが、プログラミング教室に通わせたいと思ってくださるお母さんたちから見たときに、すごい親近感というか、って思っていただけるということも、今プログラミング教室やってきて強みだなというふうに思っています。
実際に先月ぐらいに、プログラミング教室に通ってる方々とか選択理論を学んでくださってる方々にインタビューを私もしまして、サービスを受けててみたいなことに関してのを聞いたときに、決め手みたいなところで、私自身を見て、私がすごい話しやすかったとか、先生がよかったから決めましたみたいなふうに言ってくださる方が結構割合多かったんですね。なので、そこも強みになっているところだなというふうには感じています。
長廣 はい、ありがとうございました。西倉さんはこの点について、何かお聞き。
西倉 そうですね、そうすると、小佐田さんの事業の相手としては、あんまり男性は想定せれてないということになります?
小佐田 そうですね、割合で言うと女性のほうが圧倒的に多いですね。子育て中のママさんがプログラミング教室で関わる方が多いですしというのはありますね。ただ、SEの事業ってなると、ほとんどの方が男性ですね、関わる方は。システム事業ですね。企業様のITコンサルをしているだったりですとか、ウェブサイト制作の案件を受けているですとか、企業様でSE業務委託で受けてるみたいなとこでは、ほとんど男性のビジネスマンの方と一緒にチーム組んで仕事をしてたりすることが多いですね。
西倉 なるほど。3つの事業のうち、教育事業とICT教育事業の関わる相手というのは女性、同じようなお母さんの方とかお子さんってことになりますか。
小佐田 そうですね、がほとんどですね。その教育事業のセミナー系にはもちろん男性の方も。
西倉 セミナー系には男性もいらっしゃると。すいません。
小佐田 そうですね。
西倉 ちょっと一時、こちらの環境だと思うんですけど、途切れてしまいまして。
小佐田 はい、大丈夫です。教育関係の選択理論のセミナー。
西倉 コーチングですか。
小佐田 そうです、コーチングとか。今、月に3回か、毎月,選択理論の勉強会、和歌山支部という形で研究会をやっているんですね。
西倉 ええ。
小佐田 というのは、セミナーという形、研究会で開催をしているんですが、その会には普通にもちろんそこのママさん、子連れで来てくださるって方もいらっしゃるんですが、普通にビジネスマンの男性の方とかも学びに来てくださってます。オンラインでもやっているので、東京の方とか、別に県外の方も学んでくださってます。
西倉 そうなんですか。システム事業だと普通に男性の方も多いってことですね。
小佐田 そうですね。もともとSE関係が業界としてはそうなので。あとは各会社の経営者の方とかと関わることが多くなると、経営者の方々が男性陣が多いので、そういうふうになりますね。
西倉 そういう場面では、自分が女性であるということが、不利にじゃないですけど、相手に、女性だな、男性じゃなくて女性なんだなって思われるような場面があったりとか、その自分の性別が。
小佐田 ないですよ、不利に思うようなことは。
西倉 ないですか。
小佐田 ないです、ないです。
西倉 それは何かもう自分の専門性で信頼してもらえるというか、どうなんでしょうかね。
小佐田 そうですね。やっぱり優秀だねって言っていただけたり、もうヒロさんに任せてよかったですみたいなふうに言っていただいたりですとか。その、逆に何でしょう、これは男性、女性ってわけじゃなく個々の問題だと思うんですけれども、私だからこそできるサービス提供、密なコミュニケーションだったり、配慮だったりとか、そういうところでのサービスを意識しているので。ただIT部門での専門性が高いだけじゃない、トータルのサービスで見たときに、お客様のどういうふうに感じてらっしゃるかとか、何を求めてらっしゃるかみたいなことが、そこでも選択理論が活きてくるんですよね。その視点で相手のことがすごい理解できるので、そこに合わせて提供するみたいなことが、やっぱり強みとしてできるので、関わっていて、いや、女性なのでちょっと無理ですみたいなようなことは全然ないですね。
西倉 システム事業に関しても、もともとのITに関しての知識とスキルに加えて、選択理論を学んでるという強みがあるという。
小佐田 ありますね、はい。
西倉 分かりました。はい、ありがとうございます。
小佐田 はい。
長廣 ありがとうございます。それですいません、今、質問に御回答を少しいただいたんですけども、こちらで用意している次の質問としましては。
小佐田 すみませんでした。何か先走ってしまいましたね、私が。
長廣 いえいえ。すいません、私の段取りのせいなんですけど。女性であるがゆえに事業をする際に困ったと思った経験はございますかという質問をしたかったんですけど、そのような御経験って何かありますか。
小佐田 ありますよ。やっぱりありますよ。対人的にこうなるみたいなところは、正直あんまりないんですね。さっきの女性であることが不利だなというか、そういう面ではないんですけれども、やっぱり、まあ2つあると思うんですが、1つは時間制限がやっぱり男性でバリバリ仕事するよりもどうしても出てくる。自分自身の問題ですが、子育てとの両立って言い方は変なんですけれども、やっぱり子供が生まれる前であれば、こんなにバリバリ自分の時間があってやれていたというところから、今は稼働時間、大体9時から6時半、娘が保育園に行ってる時間だけを仕事の時間というふうに決めていますので、それ以外が出来ない。前はそうだったんですけれども、6時半以降で、みんな仕事が終わった夜に勉強会って結構あるんですよ。7時から9時で2時間の勉強会、セミナーとか、そういうのが結構あって、前は今まで全然余裕で出てたみたいなところが、娘が生まれて、まだゼロ歳児の頃はそれでもやってった時期があったんですが、そうすると寝るのが遅くなるみたいな。でも、こう抱えながら参加してるみたいなとかで、お互いに、……欲求充足できないなみたいな。お互いにこれ幸せな状態じゃないなというふうになったので、結局は夜の勉強会というのは全部やめて、平日、日中で出れるものだけというふうに、もう自分の中で決めました。そのほうが自分も楽だなってふうになったので、それ以降は家族タイムみたいな切り替えをした。そういう面での自由度が、制限がどうしても出てくるってのが女性と男性との差だなというのは感じてます。同じ娘を育てる主人と比較しても、やっぱりそういう面で負担が大きいのって自分のほうになるなというのは。どうしても子供が寝かしつけるってなったときには、ママじゃないと嫌だみたいなことがやっぱり出てきたりとかはありますね。彼は全然、そんなにはないんですけど、飲みに行ってくるって言って夜中2時とかに帰ってくるみたいなことが彼はできるけど、いや、私そんな飲みに行っても二次会まで行けないしみたいな。とか、そういうのがどうしてもあるよねというのは思いますね。
それが1つ目で、2つ目がやっぱりどうしてもキャリアでブランクが出るってところですね。そのライフステージと合わせたときに。今、私2人目が欲しいなって思っているんですね。でも今の段階で2人目を妊娠しましたってなったら、つわり前回も大変だったから、つわりがあって仕事に影響出るだろうなみたいなことを気にしないといけなかったりですとか、生まれるタイミングによっては、その期間この事業どうしようかなみたいなことだったりとかってことを考えないといけないですし、やっぱり産後二カ月はちゃんと休んだほうがいいよね、じゃあどうしようかな、その後どうしようかなみたいなことが。じゃあ彼は意識して考える必要があるかというと、彼は別にないんですよね。そこは子供を授かってる期間、生まれるまで、生まれた後というところで、女性だからこそある部分かなと思います。
長廣 はい。西倉先生、御専門というか、あの。
西倉 ……。
小佐田 そうなんですね。
長廣 さらに。
西倉 今、二人目を考えられてるということなんですけど、そしたら例えば、この事業はまだ始めないでおこうかとかということを考えなきゃいけなくなってくるってことですよね。
小佐田 そうですね、この事業を始めないでおこうというよりは、今、一生懸命、そこで自分がどうしたら抜けれるかで準備を進めてるってほうが。
西倉 なるほど。
小佐田 大きいですね。例えばプログラミング教室ですと、10月からアルバイトが入ってくれたので、例えばその前までだったら、丸々二カ月ちょっとすいません、お休みしますみたいな方法で対応しようかなと思ってたのが、場合によってはアルバイトにお願いして、そこはちょっと任せた。
西倉 自分……。
小佐田 はい、抜けてもできる体制をつくるみたいなことをイメージしながら準備してっているという感じでですね。
西倉 自分のキャリアの中断とかということを考えたら、一般企業とかに勤めてた場合もブランクができるって意味では同じかなと思うんですけども、お一人とか、人を雇いながら事業をされてるときのブランクの空き方というか、自分の事業とか仕事に出てくる影響の大きさというのがかなり違うんじゃないかなと思うんですけども、事業をされてるときの女性のライフステージに伴うブランクとかキャリアの中断みたいなのの、一般企業で働いてたときとの違いというのがあれば。出産されたのが、まだお勤めされてる。
小佐田 ……、はい。
西倉 何かその違いがあれば、教えていただきたいんですけども。
小佐田 はい、ありがとうございます。まず二つ、また……。
西倉 ……、はい。
小佐田 お金の問題と二つあるんですね。
西倉 ええ、ええ。
小佐田 キャリアの問題というと、……前職いたときもすごいバリバリキャリア志向だったので、昇格してから子供を産みたいって思ったんですね。リーダーになってから子供を産みたいって思っていたというのはありますのね。やっぱり子供を産んでしまってから、制限がある中でリーダーになるってことは厳しいなというのはキャリアの中で見てて思ったので、何とかリーダーになってから子供を産みたいみたいのはキャリアのとこでは思ってました。ただ、休んでも復帰して場所はあってみたいなことがあるというところでは、会社勤めというところではありますよね。会社勤めの場合、あと大きいのは、育児休業給付金がもらえるという。働いてなくても収入が入って、収入というかお金が入ってくるわけですよね。なので休んでても、割合としては減るけれども何かお金は入ってきてるから生活はしていけるよねという状況であるってのが前職の状態だと思います。
今は自分で事業をしているので、全部の事業が自分の責任で全部回っているので。単純にあと、お客様との関係性とかだと思うんですけど、キャリアに影響というよりは、穴をあけるって状態にはやっぱりなると思うんですね。どうしても自分じゃないとできないということだった場合は、そのタイミングで案件とらないみたいなことも、もちろん入ってきますし。ただ、毎月定期的にやってるようなものとかは、こういう都合で休みますなのか、もし代替できるなら代替していくってことを考えて準備をしていくしかないかなというのは思っています。ただ、大きいのがお金の面なんですね。じゃあ、前職のときと同じように、生まれてからこんだけ休みますよって休んでも、みんな別に困らないわけで、ほかの人が。どうぞ、どうぞ、じゃあ子育て中だから休んだらいいよねってなった場合、収入ゼロになるわけですよ。
西倉 うんうん。
小佐田 そこも、ちょっと話脱線するんですけど、国の制度でおかしいなと思ってて。保険払ってるわけじゃないですか。
西倉 うんうん。
小佐田 企業でも別に払ってますよね。そこからの保証で育児休業給付金が企業だったら出てるんですよ。今、個人事業主として毎月保険を払っていて、しっかり稼いでってしてるのに、そこでは今度は出ないという状態なので、その制度に関しても疑問というか思うところはありますね。はい、というのが二つです。
西倉 はい、分かりました。ありがとうございます。
小佐田 はい。
長廣 ありがとうございました。それでこれはですね、先ほどの困ったことと関連する話なんですけれども、あくまでも論文で私が、まあよく言われてる話なんですが、女性の経営者や起業家は銀行からお金を借りにくいんだというような、これデータ的な結果も出てるんですけれども、そうした資金調達面で、女性であるから困った。これは困ったというよりも、言葉としては差別になると思うんですけれども、そういう資金調達面とかそういう面で何か女性であるがゆえに困った、もしくは差別を受けてるというような経験はございますでしょうか。
小佐田 ないですね。
長廣 ない。
小佐田 というのも資金調達をしていないからですね。スモールスタートで事業を始めたので、自分の手持ちからできる範囲で始めたってところがあるので、わざわざ資金を何か得るってことはなくやってってます。
長廣 ふんふん。幾つか事業、ポートフォリオを取られてると思うんですけれども、そのポートフォリオを取られてる中で、どれか一つを今後伸ばしていこうとか、そういう御計画はあるんでしょうか。
小佐田 ありがとうございます。ちょっと前回、御伝えしたかわからないんですけれども、今、和歌山に新しい小中学校をつくろうプロジェクトの話ってさせていただいたと思うんですけれども。
長廣 はいはい。
小佐田 今、私がやってる活動って全部そこにつながるんですね。なので、今は2025年開校目標で進めているので、開校したら、その学校ってとこでプログラミング教育ってところにも関わるってことはなりますし。私が学んでいる選択理論って、結局その学校に適用するとクオリティースクールという形で実際そういう学校があるんですが、それを先生たちに教えていくということもありますし、カウンセラーとして関わるってこともありますし、学校で先生として教えるってこともありますし、今自分がやってることがそこにつながっていく。で、まあ学校内のIT関係も全部やれますみたいな形で関わっていけるかなと思っています。
なので、学校ができたときには、恐らくもう自分からのそのシステム事業とかはなくなっていくかなと。もう学校の中、学校経由みたいなところで対応してく感じになるかなとは思ってますね。プログラミング教室は経営するだけやって、誰かに任せていくってことはあり得るかなと思ってます。今,ちょうどプログラミング教室を力入れてるところになるので。
長廣 はい、ありがとうございました。それで今、和歌山という言葉がでてきたところで、文字起こしの19ページの7行あたりに、和歌山にいますし、和歌山が大好きということを前回教えていただいたんですけれども、私、御存じのように経済学部の人間だから経済の話になってしまうんですけれども、質問としまして、まず和歌山県で事業をするにあたって、この和歌山県というのは有望な市場というふうに思われるかどうか、その点を教えていただけないでしょうか。御自身の事業において。
小佐田 そうですね、そう思います。
長廣 有望な市場。大阪に今後出ていくとかいうような計画は全く立ててはいらっしゃらない。
小佐田 全くないですね。全くないですね。
長廣 ふんふん。あと、人の面ですね、人的な面、例えば従業員、その能力とかスキルを持ってる従業員を採用しやすいとか、そういう面で和歌山は人的な面ではどのようにお考えでしょうか。
小佐田 今のところ全く困ってないですね。普通にいらっしゃいますね。今、アルバイトの子だけじゃなくって、自分の業務の中でも人に任せようって思ってる……結構、業務委託でしてってるんですけれども、その中でもつながりある方とかで聞いてお願いしてで全然できているので、和歌山だから困るみたいなことはないですし、あとはオンラインでどこでも別につながってできるので、縁ある方とという形ですね。
長廣 それと、事業をするにあたって、経営者としていろいろ困ることとか経営者間の助け合いというようなことも、ネットワークというようなことも重要になるかもしれないんですけれども、その経営者としてのスキル、それは今後従業員が増えていった場合、どういうふうに労務管理するかとか、いろいろな面がでてきたり、経営面とか税制面とか、そういういろんな経営者間での情報のやり取り、そうした面、今、和歌山でされてるんでしょうか。
小佐田 されてると思いますね。今、いろんな経営者の方とつながりますけど、いろんな会ありますし、ネットワークはあると感じています。
長廣 そういうとこで、いろいろ今後の事業の展望とかを学ばれてるということなんでしょうか。
小佐田 私が今、経営者みたいなポジションで学びに行ってるってことは、今、現時点ではないんですけれども。そういうつながりは和歌山の中でもあるという感じです。
長廣 はい。西倉さんは何かこの点は?
西倉 はい。最初に和歌山が御自身の事業を展開していく上で有望な市場だと思うというふうにおしゃったんですけども、どのあたりが有望だと思われるのかということについて教えていただきたいなと思いました。
小佐田 ありがとうございます。有望だから和歌山を選んだというわけではもちろんないんですけれども、御縁があって和歌山に戻って来たから、ここで事業するしかないからした。で、しているという状態ではあるんですが、今の時点で、和歌山で実際、事業をしてて良いなと思っている部分で言うと、やっぱり競合が和歌山……ほぼいない。例えばプログラミング教室で見たときにも、和歌山にもちょいちょい幾つかプログラミング教室とかあるんですけど、ほとんどフランチャイズで一部やっているぐらいですし、それが例えば大阪ってなると、ものすごい数やっぱりあるんですよね。みたいなところでいくと、人口の割合で言っても全然差はあるにしても、そういうものの情報が入ってくるたび、進出が少ないので競合他社の中で優位になれるみたいなところがあります。
選択理論に関しても、選択理論も学会があって、全国でそういう活動がされてるんですね。全国に学んでる方たちがいっぱいいらっしゃって、全国的に支部があるわけなんですよ。大阪とかも4つとか5つとかものすごい数、支部があるんです、エリアごとに。なんですけど、例えば和歌山で言ったときに、今和歌山で選択理論を、現時点ですごい学んで取り組んでるという人がいなかったので、すごいそこが、和歌山で選択理論というと私というのが強みになっているというふうにも思ってます。はい。
西倉 まあ結果的なのかもしれないけど、何か和歌山というところに小佐田さんがすごくはまってるというか。
小佐田 そうですね、そうですね。
西倉 何か知事ITの政策。
小佐田 そうです、そうです。
西倉 という流れにも。
小佐田 それもすごい思いますね。だから和歌山に戻って来たときに、起業しようってなったきっかけというか、踏み出せた理由も、和歌山県としてはIT人材が不足している、で、IT産業を盛り上げたい、それを柱にしたいという知事の考えがあって。学校へのプログラミング教育も2020年、……都道府県がやる中で、もう2018年からちょっとやってて、もう2019年にはもう県内全部が必修化してみたいな取り組んでる状況だったりとか、そういうところも、和歌山県だったから、なら私がここに来たというのも意味あるなというのがつながったってところもありますね。
西倉 うん。
小佐田 何かIT関係の仕事でも、和歌山の中でIT関係の仕事、システム事業の関係……あまりいてないので、結構そういうところで重宝というか、していただけるのもあるなとは思いますね。そこは全国的、日本全体がIT人材不足しているので、強みだなとも思いますね。ありがたいです。
西倉 うん。
長廣 はい、ありがとうございました。よろしいですか。
西倉 もう1個だけいいですか、先生。私たちどうしても女性起業家という枠組みで、今調査を進めてるんで、どうしても女性女性ってところにこだわってしまうんですけども。
小佐田 全然、全然いいです。
西倉 単なる女性人材じゃなくて、女性の理系の方というのが、やっぱりすごく重宝というと語弊があるのかもしれないんですけど、やっぱり注目されるところで、理系の御専門だというところがすごく大きいようにも見えるんですけども、その辺りはお感じになることってあります?
小佐田 あります、あります。それはやっぱり思いますね。IT女子ですね、IT女子。
西倉 IT女子。
小佐田 ……って言葉ありましたけど。
西倉 リケジョとかね。
小佐田 リケジョとか。
西倉 何かその波が来てるみたいなってありますか。
小佐田 そうですね、そうですね。でもそれも、そうだ、話脱線するんですけど、自分が選択良かったなって思っていることなんですが、高校時代に既に文理選択ってあるじゃないですか。
西倉 はい、はい。
小佐田 高校自体、進学校だったので文系に行くか理系に行くかというのの選択に迫られてたタイミングだったんですね。そのときに、まず、もともとずっと私は絵を習っていて、絵が好きだったのでデザイン関係に進みたいというのが、もともとは思ってたんですよ。小学校からずっと絵を習っていたので。なので、高校のときとかもデッサンとかもバリバリやっていたので、美大、芸大にいくか、どうするかという選択をそこで、文理考えたときに悩んだんですね。けど、自分の中で、美大、芸大に行って絵のほうだけをやるよりも、工学部の工業系のデザインのほうがいいんじゃないか。私はもともと数学とか好きだったので、理系でデザインができる方向にしようというのを思って、まず高校時代の文理選択をしたというのが1個のポイントだったかなってのは思ってます。その後、実際に大学進学するという、どこにするかって選ぶときに、工学部のデザインというのも、数がものすごい少ないんですよ。
西倉 へえ。
小佐田 その中で地元、私、岐阜だったので、例えば名古屋工業大学とか名工大とか名市大みたいなとこがあるんですが、どちらかというと建築デザインとか空間デザインみたいなところがメインになってきて、建築じゃないんだよなみたいなところがあったんですよ。で、いろいろ見てたときに、和歌山大学がそのデザイン情報学科という学科名なんですね、システム工学部のデザイン情報学科という形で、デザインと情報という形だったんですよ。そのときに情報ってこれからの時代絶対来るなってのは思ったんですよ。
西倉 ふうん。
小佐田 そのほうがつぶしもきくし、それを学んでおくことというのが自分にとってプラスになるなと思ったので、みんなに、何でそんな田舎の大学にわざわざ行くのみたいな言われながら、第1志望を和歌山大学のデザ情で。
西倉 ふうん。
小佐田 進路決めて入ったという感じでした。
西倉 すごい、先見の明がおありです。ありがとうございます。はい、分かりました。
長廣 ありがとうございました。それで、私たちからの質問は、これで準備していたものはお聞き、全てしたんですけれども、最後に小佐田さんから何か起業の思いというか、そうしたものを最後に教えていただきたいなというのがあるんですけど。事業をする上での思いですね、目的というよりも思いみたいなものを。
小佐田 起業の思い。
長廣 うん。
小佐田 何だろうな、思い。前回もお伝えしたかわからないですけど、起業してるという感覚があんまないんですよね。自分が何か気合入れて、私は起業してるんだ、この事業をどうするんだみたいなのが、……あるというよりは、自分がやってて楽しいことが仕事になっているって感覚で、私が社会に対して役に立てることで社会に貢献したいなって思ってやっているという感じですかね。
長廣 ふんふん。はい。
小佐田 こんな回答で大丈夫ですか。
長廣 ありがとうございました。それではインタビューはこれで終了させていただきたいと思います。インタビュー日は2021年1月14日
小佐田 2022年ですね。
長廣 2022年ですね、すいません。2022年1月14日です。すいません、どうもありがとうございました。じゃあ録音を一旦ここで終了させていただきます。
小佐田 はい。